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そして午後からの仕事は順調に進み、あっと言う間に送別会の時間になった。
送別会っていっても、同じ社内にいるからいつでも会えるわけだけど、システム部のみんなとこうやって飲むのはきっと今日が最後。
他の人たちよりも少し遅れて店に着くと、既に全員がもう飲み始めていた。
主役って一応、私だよね?
「おっやっと来たか伊咲!あれ雪ちゃんは?」
「あ、雪ちゃん今日用事あって来れませんでした」
陽くんの話を終えたあと、雪ちゃんを今日の飲み会に誘ったけどあっさりと断られた。
今日は専務が早く帰ってくる日なんだって。
「マジかよ……俺すげー楽しみにしてたのに!ったく使えねーな伊咲は。とりあえず空いてる席適当に座れ」
やっぱりこの部長、最低な上司かも。
テーブルの奥の方に空いている席を見つけて近付くと、思いがけない人の声がテーブルの奥から聞こえてきた。
この声は……。
「伊咲ちゃーん!遅かったね席取っておいたよ」
ビールを飲みながら、普通にシステム部にとけ込んでいる仙堂さんがいた。
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