見えない敵意

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「わ、タケルそれセクハラじゃないの?お前こんな所で大胆だなー」 「うるせ。お前腫れてんじゃん足」 鳴海さんに言われて足を見ると、確かにストッキングの上からでもわかるくらい足首が青紫に腫れ上がっていた。 朝より、今の方が痛い気がする。 「今すぐ、会社の医務室行け」 「……はい」 「伊咲ちゃん大丈夫?俺がおぶってってあげようか?」 仙堂さんなら、本当にやりかねない。 「いいです!スミマセンありがとうございました」 なるべく鳴海さんと目を合わせないようにお礼を言って、言われた通りに医務室へと向かう。 医務室に着くと、健康管理担当の女性の先生がいて包帯を巻いて処置をしてくれた。 「随分痛そうね~どうやって捻ったの?」 「……ちょっと電車乗るときにバランスを崩してしまって」 「気をつけた方がいいわよ。とりあえず応急処置しておいたから」 「ありがとうございます」 そのとき、私の携帯の着信音が医務室に響いた。 相手は、非通知だった。
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