677人が本棚に入れています
本棚に追加
非通知で電話がかかってくることなんて滅多にない。
「もしもし……」
電話に出ると、少しの沈黙のあと電話は切れてしまった。
何なの……?
とりあえず昼休憩が終わる時間になったから、携帯をロッカーに閉まって受付へ戻った。
特にそのときはあまり気にせずに。
だけど仕事を終えた後。
再び携帯を見ると、不在着信が30件も埋まっていた。
全て、番号は非通知だった。
一瞬で、顔が青ざめていくのがわかる。
携帯を持つ手が、恐怖で震えていた。
「絵麻ごめん私待ち合わせしてるから先に帰るわ!また明日ね~」
「……うん、また明日」
雪ちゃんに相談したかったけど、仕方ない。
明日、相談してみよう。
とりあえずこの日は、携帯の電源を切って家へ帰った。
帰る途中も誰かに尾けられているような気がして……怖くて仕方なかった。
最初のコメントを投稿しよう!