見えない敵意

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非通知で電話がかかってくることなんて滅多にない。 「もしもし……」 電話に出ると、少しの沈黙のあと電話は切れてしまった。 何なの……? とりあえず昼休憩が終わる時間になったから、携帯をロッカーに閉まって受付へ戻った。 特にそのときはあまり気にせずに。 だけど仕事を終えた後。 再び携帯を見ると、不在着信が30件も埋まっていた。 全て、番号は非通知だった。 一瞬で、顔が青ざめていくのがわかる。 携帯を持つ手が、恐怖で震えていた。 「絵麻ごめん私待ち合わせしてるから先に帰るわ!また明日ね~」 「……うん、また明日」 雪ちゃんに相談したかったけど、仕方ない。 明日、相談してみよう。 とりあえずこの日は、携帯の電源を切って家へ帰った。 帰る途中も誰かに尾けられているような気がして……怖くて仕方なかった。
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