見えない敵意

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「とりあえず絵麻、そのことは私に任せなさい。誰が犯人なのか調べてあげるから」 本当に、心強い味方だ。 雪ちゃんは、絶対に敵に回したくない。 「でも……どうやって?」 「大丈夫よ、方法なんていくらでもあるから。武川さんには相談したの?」 昨日の夜。 帰宅したあともやっぱり怖くて誰かに相談したくて仕方なかったから、陽くんに電話をかけた。 だけど、彼は電話には出なかった。 きっと、忙しいのだろう。 陽くんが仕事で電話に出れないことなんて今までも何度もあったけれど、さすがに昨日だけは電話に出てほしかった。 心細かったから。 結局妹に電話をして、他愛もない話をして気持ちを落ち着かせてから眠った。 鳴海さんにだけは、電話したらいけないと思ってしなかった。 鳴海さんに相談したら……私はきっと甘えてしまう。 彼の、さり気ない優しさに。 「陽くんには……まだ相談してない」 「そう。ちなみに今日は?携帯に非通知で電話きてるの?」 「うん、朝からずっと……。怖いから今は電源切ってる」 今すぐ平穏な日常に戻してほしい。 毎日こんな思いをするのは、耐えられそうにない。
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