見えない敵意

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そしてその日の午後から、嫌がらせは更にエスカレートしていった。 知らないアドレスから数えきれないくらいのメールが届くようになった。 メールの内容は、ショックを受けるようなものばかりだった。 『死ねばいいのに』 『早く消えろ』 『仕事辞めろブス』 ショックで、会社のロッカールームで声を押し殺して1人泣いた。 携帯の電源も、怖くて入れれなくなってしまった。 だけど仕事では笑顔を見せないといけない。 どんなに辛い事があっても、顔に出してはいけない。 そんな日が何日か続き、雪ちゃんが犯人を探ってくれているみたいだけれど、もう心は限界だった。 こんな状態で、うまく笑うのは私には難しかった。 「こんにちは。今日もアポイント取って来社したんですけど」 この日、仕事中声をかけられて見ると、この間の陽くんと同じ会社の女性。 確か……泉さん、だったはず。
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