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「雪ちゃん、今の人すごい綺麗だったね」
周りに聞こえないように小声で話しかける。
「そう?まぁ美人だけど、なんか裏ありそうな女。香水の香りも臭すぎるし」
「厳しいね、雪ちゃん」
あんな綺麗な人が陽くんの会社にいるんだ。
でも、女性で営業って、なんかかっこいい。
泉さんは打ち合わせが終わって帰るときも、私の顔をじっと見ていた。
雪ちゃんじゃなくて、何故か私を。
「絵麻、ぼーっとしてないで。お客様来たよ」
「あ……はい」
その後はとにかく終業時間まで忙しさに追われて、彼女のことは完全に忘れていた。
彼女に対して感じた、違和感のことも。
受付の終業時間は午後6時。
終わると同時に着替えに行き、雪ちゃんといつもの居酒屋に直行した。
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