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予定通りに仕事は18時に終わり、着替えをして少し化粧直しをしてから早めに待ち合わせのカフェに向かった。
仙堂さんを待っている間に携帯をいじっていると、1件のメールが届いた。
陽くんからだった。
沈んでいく気持ちでメールを開くと、そこには私への謝罪の気持ちや泉さんと話し合った事などが長文で記されていた。
『絵麻を裏切ったのは事実だけれど、あれから毎日後悔しているんだ。絵麻を失いたくない。会って、話がしたい。
3日後の絵麻の誕生日は、俺と一緒に過ごしてほしい。』
そして文章の最後には、私の誕生日にディナーの予約をしてくれている時間と、レストランの名前が書かれていた。
『来てくれるまで待ってるから』
そのレストランは、私が陽くんに告白された思い出の場所だった。
2年前のあの日の光景を思い出す。
少し高級なレストランで、私はとにかく緊張していた。
私より3つ上の陽くんは慣れていて、優しくエスコートしてくれた。
この人と付き合えたらって思っていたその日に、陽くんから好きだと言われ、心底嬉しくて思わず嬉し泣きしてしまったんだ。
……あの日のことは、今でもちゃんと覚えている。
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