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「伊咲ちゃんからかうのって面白いね~」
「ひ、ひどいです!」
「ごめんごめん。でも顔に出てるのはホント。まぁ、じっくり考えるといいよ。自分で決めなきゃいけないことなんだしね」
「……ゆっくり考えてみます。自分がどうしたいのか」
正直、陽くんのことを思い浮かべると、楽しかった思い出ばかりが蘇ってくる。
たくさん出掛けたデートの場所や、私を好きだと言ってくれる彼の優しい笑顔。
裏切られた事実は確かに私にかなりのショックを与えたけれど、彼のことを憎みきれていない自分がいる。
それは、私も彼を裏切って鳴海さんとキスをしてしまった後ろめたさがあるからなのか。
それとも、彼を許せない気持ち以上に好きな気持ちの方が大きいからなのか。
この先どうするかは、自分で決めなきゃいけない。
自分の本心で、陽くんと向き合うんだ。
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