誕生日の夜

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4年前、父が亡くなった日。 いつも気丈な母が、初めて私たち娘の前で泣いた。 人目を気にせずに、取り乱して。 取り乱す母を支えながら、思ったんだ。 これからは、家族3人で何があっても強く生きて行くんだって。 父が亡くなってから、私たち3人の絆は確かに強くなった気がする。 特に一人暮らしを始めてからは、この2人の大切さが、身にしみてわかるようになった。 「お母さん、絵里……ありがとう」 「どうしたのお姉ちゃん、改まって。なんか怖いんだけど」 「ホント。何かあったの?最近絵麻と電話で話したときにすごい暗かったって、絵里ったらずっと心配してたのよ」 「ちょっ……お母さん口軽すぎだから!」 やっぱり家族っていいなって思ったら、また泣きそうになってきた。 最近ダメだ私。 いくらなんでも泣き過ぎてる。 「あ、もしかしてお姉ちゃん彼氏にフラれた?目、赤いし」 「あら、陽くんと別れちゃったの?写真でしか見たことなかったけど、いい男だったのに~」 心底残念そうな母に、楽しそうに笑う妹。 暗くなっていた気分が、少しこの2人のおかげで晴れて行く気がした。
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