近付く距離

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彼女の話す内容なら、どんな些細な事でも興味がある。 俺らしくもなく質問攻めをしていたら、あっと言う間に彼女の家に着いてしまった。 家の辺りは街灯が少なく、この時間だと相当周りは暗い。 こんな所に住んでて危なくないのかと心配になる。 車が止まり、彼女は律儀に深々と頭を下げて今日のお礼を言ってきた。 こんなに律儀な女は見たことがない。 きっと親の育て方が良かったんだろうと思う。 彼女が車を降りる前に、俺は最後の質問をした。 「……お前さ、彼氏とうまくいってんの?」 わかりやすい程に、顔色が変わった。 「……急にどうしたんですか?」 「この1週間、ずっと泣きそうな顔して受付にいたから。何かあったんだろ」 「……何もないです」 「嘘つくな」 本当は彼女の方から、今日何か俺に相談してきてくれるんじゃないかと期待していた。 何か辛いことがなければ、こんな苦しそうな顔はしない。
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