触れた唇

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彼女のために何かしたいと思いながらも、仕事に追われてどんどん時間だけが過ぎていく。 そして3月下旬。 この日は俺1人で大阪へ1泊の出張。 朝出社して自分の部下に指示を出し、資料を持って会社を出る。 エレベーターを降り1階に着くと、受付に彼女の親友の女がちょうど1人で座っていた。 相変わらず気取った女にしか見えない。 「おい」 受付へ行き、女に声をかけた。 「……なんですか?」 「お前、アイツの親友なんだろ」 「アイツって……絵麻のことですか?親友ですけど。なんですか?いきなり」 明らかに不機嫌そうに俺を見る目。 なんか、すげー嫌な女。 「お前さ。親友ならアイツに何かあったことくらいわかってんだろ。ちゃんと話聞いてやってんの?」 「ていうか、お前って言うのやめてもらえます?私、男にお前って呼ばれるの凄い嫌いなんです」 すげー嫌な女プラス生意気で高飛車な女。
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