初めて見せた涙

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「じゃあ俺風呂入ってくるから。お前は俺の部屋のベッド使って早めに寝ろよ」 「え、鳴海さんがベッド使って下さい!私ここのソファーで寝ますから」 ソファーでなんて寝かせれるわけねーだろ。 彼女の髪にまた優しく触れて、部屋を出た。 これ以上一緒にいたら、間違いなく絶対に理性が飛ぶ。 本当に彼女と出会ってからは、驚くことばかりだ。 好きだという感情があるだけで、こんなにも今までの自分とは違うなんて。 今思えば、今までの俺は本当に冷たい人間だったと思う。 まぁ、今だって結局は彼女以外の女には優しくしようと思わないけど。 風呂に入った後、眠る前に彼女が寝ている寝室へ入った。 ちゃんと眠れているか気になったから。 俺のベッドの中で、彼女は気持ちよさそうに寝息を立てて眠っていた。 良かった。 寝ているのを確認し、部屋を出ようとしたら突然服の袖を掴まれた。 驚いて彼女を見るけど、明らかに起きている様子はない。 本当にコイツは……タチが悪い。 俺がどれだけ我慢してるかわかってんのか? 彼女の手をそっと袖から離し、その小さな手にキスをした。 ついさっき手を出さないって決めた筈なのに。 まぁ、これくらいならいいだろ。 「……おやすみ」 今度はうなされることがないように。 もう彼女が苦しむことなんてないように、その寝顔を見つめながら願った。
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