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そしてそのなんとなくの引っかかりが、気のせいなんかじゃないとわかったのはその2日後のことだった。
いつものように午前中の外回りの仕事を終え会社に戻り、午後からの会議の資料をチェックしていたとき。
1人の女が勢いよく俺のデスクに近付いて来た。
受付の飯嶋雪だった。
「鳴海さん、今日少し時間ありますか？ちょっと大事な話があるんですけど」
そう言って彼女は、周りに聞こえないように俺の耳元で小声で一言つけ加えた。
「絵麻のことで」
そう言われて、聞かないわけにはいかない。
「19時くらいなら、一旦出れるけど」
「じゃあその時間に、このメモに書いてある場所に来て下さい。あ、あと総務の仙堂主任も連れて来てもらってもいいですか？あの人も役に立ちそうだし。それに鳴海さんと2人きりで外で会いたくないんで」
そう言って彼女は颯爽と営業部を出て行った。
するとその様子を見ていた営業部の奴らがざわつき出した。
「主任に何の用だったんですか？飯嶋さん」
「やべぇ、めっちゃ美人」
「俺も話しかけられたい」
どうやらあの女は相当男性社員から人気があるらしい。
そんなにいいか？
俺には伊咲絵麻の方が何倍もかわいく見えてしまうけど。
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