彼女の異変

13/17
前へ
/40ページ
次へ
今回は運良く足の捻挫程度で済んだから良かったものの、次はどんな危険な目に遭うかなんてわからない。 考えるだけで怒りがこみ上げてくる。 「それに酷い嫌がらせも始まったんです。携帯に凄い数の非通知の着信がきたり、知らない宛先からメールが大量に届いたり」 「うわ、なんなのそれ。怖いね。メールってどんなメール?」 「見せてもらったけど……口にしたくないくらい酷い事がたくさん書いてました。絵麻、私の前では気丈に振る舞ってたけど相当辛いはずなんです。今のうちになんとかしないと」 きっと嫌がらせはもっとエスカレートする。 そうなる前に犯人を見つけ出して、追い詰める。 「そういう事ならもちろん協力するよ俺らも!伊咲ちゃんが苦しんでるの、黙って放っとくなんてできないし」 「勿論そのつもりで呼び出したんですけど。でも、その前に1つ確認させて下さい」 そう言って飯嶋雪は、真剣な顔で俺を見つめた。 「鳴海さんは、絵麻のことどう思ってるんですか?」 その視線は、明らかに俺に対して好意的な視線ではなかった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

781人が本棚に入れています
本棚に追加