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「とりあえず鳴海さんに気がありそうな女性で私も探してみますから。何か手掛かり掴んだら、お互い報告し合う感じでいいですか?」
「わかった」
「じゃあ何かあったら、仙堂さんに連絡するんで名刺下さい」
「えっ俺?タケルじゃなくて俺?もちろんいいよ!何もなくても連絡くれてもいいけど」
そう言って仙堂が嬉しそうに名刺を飯嶋雪に渡す。
まさかこの女、本当に仙堂に気があるのか?
そうは見えなかったけど。
すると仙堂の言葉を聞いた飯嶋雪が、ニッコリと微笑んだ。
「仙堂さん、勘違いしないで下さいね。鳴海さんと裏で連絡取ってるの絵麻がもし知ったら、嫌な気分になるかもしれないでしょ?ただそれだけの理由なんで」
さすが男にモテる女が言うことは、そこら辺の女とは違う。
妙に感心さえしてしまった。
「なーんだ……期待して損したじゃん。雪ちゃん思わせぶりだな~」
「仙堂さんなら人気あるんだから選び放題でしょ。それに私、彼氏いるし」
「やっぱいるんだ。誰?社内のヤツ?」
「それは知らない方がいいと思いますよ。じゃ、あとはよろしくお願いします」
意味深な笑みを浮かべて、飯嶋雪は喫茶店を出て行った。
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