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そして早速その翌日から、俺と仙堂は彼女に恨みを抱いていそうな人物を探し始めた。
人脈はいくらでもある。
調べればすぐに犯人らしき人物が出てくると思っていたけど、その考えはどうやら甘かったらしい。
数日が経っても、社内の人間で彼女に強烈な恨みを持ってる人物は見当たらなかった。
これだけ調べても何も出てこないなんて、おかしい。
本当に犯人は社内にいるんだろうか。
その間にも彼女への嫌がらせは止まる気配を見せない。
受付で見せる彼女の笑顔が、日に日に曇っていくのがわかった。
早くなんとかしてやらないと。
そんなときだった。
営業部の中を歩いていると、突然『伊咲絵麻』の名前が耳に飛び込んできた。
声がした方を振り向くと、営業事務の女が2人ヒソヒソと何かを話しているのが見えた。
「おい」
「わっ主任……すみませんすぐ仕事に取りかかります!」
「今、何の話してた?」
確かにこの2人の会話から、伊咲絵麻の名前が聞こえたはずだ。
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