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席に着いた彼女の目の前に、冷蔵庫で冷やしておいたビールを置いた。
彼女が持っていたコンビニの袋に入っていたものだ。
「お前は飲めよ。今日は家でそれ飲むつもりだったんだろ」
「……じゃあ、少しだけ」
彼女のグラスにビールを注ぐと、旨そうに彼女がそれを飲む。
前に仙堂が言っていた、ビールを旨そうに飲む顔ってこれか。
……確かに、いい。
ビールを飲み、少し元気になった彼女は本当に美味しそうに俺が作った料理を残さず食べてくれた。
だけど俺は自分の手料理なんかじゃなく、やっぱり彼女が作る飯が食いたい。
今日はここに泊まらせて、明日の朝飯を作ってもらう事に決めた。
「朝飯、楽しみにしてるから」
「……寝る場所は別々ですからね」
勿論言われなくてもそのつもりだったけど、赤い顔でそんなこと言われたら、逆にまた抑えが利かなくなる。
わざと煽ってんのか?コイツ……。
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