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「お前が俺のモノになったら教えてやるよ」
今はまだ言わない。
いつか彼女が俺を好きになるときがきたら、飽きるほど言ってやる。
その後は仙堂から聞いた話の内容を彼女に伝え、先に風呂に入らせた。
こんなときくらい、誰にも気を遣わずにゆっくりくつろいでほしい。
彼女が風呂に入ってる間、ソファーに座りテレビを見ていたつもりがいつの間にか俺も眠ってしまっていた。
だけど眠っていたはずなのに、彼女の気配には気付いてしまう。
至近距離から、風呂上がりのシャンプーの髪の香り。
マジで、無防備すぎるにも程がある。
「なんだよ人の顔ジロジロ見やがって」
「うわっ」
目を開けると、予想通りやっぱりすぐ近くに彼女はいた。
つーか、近すぎるから。
「起きてたんですか?」
「お前、ちょいちょい俺の寝顔盗み見してるよな」
「すみません……」
「お前、その格好……」
よく見ると、俺の部屋着を纏った彼女は、長すぎる袖からちょっとだけ手を出している。
下のスウェットも、かなりサイズがおかしい。
「私にはかなり大きすぎて変なことになっちゃって……」
「いや、意外とツボかも」
意外とっていうか、かなりヤバイ。
正直、抱きたくて仕方ない。
「お前、風呂上がりにそんな無防備に男に近付くな。俺じゃなかったらとっくに襲われてるぞ」
「あ、はい、すみません……」
絶対こんな姿、他の誰の前でも見せないでほしい。
彼氏の前でも。
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