781人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日。
午前中の外回りが終わり、会社に一旦戻って仙堂と食堂へ向かう途中。
目の前を歩く彼女の姿が見えた。
微かに歩き方がおかしい気がする。
「おっあれ伊咲ちゃんじゃん。伊咲ちゃん今お昼ー?」
見つけてすぐ仙堂がデカい声で彼女に声をかける。
後ろを振り向いた彼女と一瞬だけ目が合った。
少し赤く腫れた目。
まさか昨日泣いたのか?
俺のせいで。
「今食堂行くの?俺らも行くから一緒に食べようよ」
コイツ、俺が避けられてるの知ってるくせに。
断ってくるに決まってんだろ。
「あ……でも混んでるみたいなんで、私はやめておきます」
そう言って来た道を戻ろうとする彼女の腕を掴んだ。
やっぱり、歩き方がいつもと違う。
「お前、どうした?その足」
「……なんでもないです」
何故か嫌な予感がした。
「え?伊咲ちゃん足怪我してるの?」
「ちょっと捻っただけなので」
「いいから見せろ」
しゃがみこみ彼女の足に触れると、その華奢な足が痛々しい程に青紫に腫れ上がっていた。
何があった……?
最初のコメントを投稿しよう!