彼女の決断

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翌朝、ソファーで完全に熟睡していた俺は彼女の優しい声と、いい匂いの朝食で目が覚めた。 昨夜は結局しばらく彼女の寝顔を見ていたから、実はそんなに寝ていない。 だけど久し振りに目覚めのいい朝だった。 彼女が作ってくれた朝食は、俺が求めていた通りの朝食だった。 だし巻き卵、すげー旨いし。 料理には、作る人の人柄がそのまま出るのかもしれない。 彼女の作った朝食は、特に凝った料理じゃないのに味付けが絶妙で、飽きることのない優しい味だった。 「お前も食えよ」 「いただきます」 2人で初めて朝食を食べた朝は、最高だった。 コイツが俺の彼女になったんじゃないかと錯覚しそうになるくらい。 この時間がずっと続けばいいのに。 だけどそんな願いは叶わず、時間は普段通りに過ぎていく。 「じゃあ鳴海さん、私そろそろ帰りますね」 「送ってく」 「あ、大丈夫ですよ……」 「俺もちょうど出かけるから」 本当は出かける用事なんてないけど、まだ全然一緒にいたい。 時間がいくらあっても足りなすぎる。 「じゃあ……お願いします」 「少しは素直になったじゃん」 単純に、素直に自分を頼ってくれた事が嬉しかった。 もしかしたら彼女も、まだ一緒にいたいと思ってくれているのかもしれない。
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