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「え?伊咲ちゃんの付き添い?今日って急だな、随分」
コイツは仕事中だろうがお構いなくいつでも電話に出てくれるから助かる。
「悪い。本当は俺が行く予定だったんだけど仕事長引きそうなんだ」
「でも俺、今日彼女と予定あるんだよな」
「……頼む仙堂。アイツのことはお前にしか頼めないんだよ」
「まぁ、タケルがそこまで言うならいいけど。その代わり、交換条件」
交換条件?
嫌な予感。
「伊咲ちゃんのどこがそんなに好きなのか、教えてくれるんならいいよ」
「なんでお前にそんな事……」
「だってすげー気になってたんだよね。今までいろんな女と付き合ってきたお前が、なんでそんなに伊咲ちゃんに執着するのか謎で仕方なくて」
絶対コイツには言いたくない。
本人にさえまだ言ってないのに。
「わかった今度教える。とりあえず時間ないから頼むな!時間と場所後でメールするから」
「はいはい任せて了解~」
教える気は一切ないけど、仙堂が引き受けてくれたから安心して部下と一緒にエレベーターを降りた。
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