彼女の決断

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「それなら大丈夫ですよ。そっちに人向かってるはずですから」 人が向かってるって……誰が? 「多分そろそろ着く頃だと思いますけど。とにかく、わざわざ教えてあげたんだから絵麻のことちゃんと捕まえて下さいね」 「飯嶋。……ありがとう」 「別に鳴海さんのために教えたわけじゃないですから。親友のためです。裏切っておきながら別れたくないなんて都合良すぎでムカつくんですよね。じゃあ私、仕事戻るんで」 そして電話は切れた。 そろそろ着く頃とか意味わかんねーこと言ってたけど……。 「主任!」 そのとき背後から聞こえてきた声は、部下の村瀬だった。 「お前……何してんの?」 「これでも急いで来たんですから、怒らないで下さいよ」 相当走ってここへ来たのか、かなり息が上がっている。 「村瀬。悪いけど説明してくんない?全然状況が飲み込めてないんだけど」 飯嶋が向かってるって言ってたのは、村瀬のことか?
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