彼女の決断

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彼女を助手席に乗せ、車を発進させた。 「お前、今日はこれからどうすんの?」 これから彼氏に会うんだろうか。 そう思っただけで、大人げない程に嫉妬心が芽生えてしまう。 「あ、今日はもともと実家に行く予定だったので、家帰って荷物まとめたら実家に帰ります」 実家か。 顔には出さないけど、内心安堵した。 「ふーん。よく帰ってんの?」 「月に1回は週末必ず帰って1泊するんです。今日は妹とお母さんがパーティーをしてくれるので」 「パーティー?」 「私の誕生日が来週なので、今日お祝いしてくれるみたいなんです」 来週が誕生日だなんて、初耳だった。 今まで付き合ってきた女の誕生日なんて、誰一人思い出せない。 プレゼントもやった事がないし、祝ってやった記憶もない。 誰かの誕生日を祝うなんて、自分には無縁な事だと思っていた。 「へぇ。俺も行こうかな」 「えっ?」 「何だよそのマヌケな顔」 「や、だって鳴海さん……そもそも用事ありますよね?」 完全に顔ひきつってるけど。 「あるけど、別に時間ずらせるし」 用事なんて最初からない。 前から家族の話は聞いていたから、一度会ってみたいとは思っていた。
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