彼女の決断

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昨夜彼女が襲われかけたことを話すと、男は彼女を心配する前に、自分に相談しなかったことを責め始めた。 つくづく勝手な男だ。 こんな男が今まで彼女を独占していたのかと思うだけで、怒りがこみ上げてくる。 「嫉妬してる場合かよ。てめぇのせいでコイツがあんな目に……」 「鳴海さん!大丈夫です、私がちゃんと説明しますから。とりあえず陽くん、家に入って。ちゃんと詳しい事話すから」 男は俺のことを睨み付けたまま言った。 「絵麻を助けてくれてありがとうございました。けど、もうその必要はないので。絵麻には僕がいますから」 これ以上俺がここにいる意味はない。 これから先の話し合いは2人のこと。 俺がそこに入る事はできない。 悔しい思いを抱えながら、車に戻りその場を立ち去った。 気晴らしに1人でドライブへ向かった。 別に行き先なんてない。 ただこのイライラした思いのまま、さっきまで彼女がいた自分の家へ帰る気にはなれなかった。
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