彼女の決断

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なんで休みの日に実家に用事もないのに行かなきゃいけねーんだよ……。 なんて思いながらも、結局車を実家方面に走らせた。 このままドライブを続けたって無駄な時間を過ごすだけだし。 たまには帰るか。 実家は都内だから、一人暮らしをしている自宅からもそこまで離れているわけじゃない。 一応有名なケーキ店のケーキを多めに買い、久し振りに実家に帰った。 「あー!タケル兄ちゃんだー!おかえりー!」 「おじちゃんひさしぶりー!一緒にあそぼー!」 基本子供は嫌いだけど、甥っ子と姪っ子は何故かかわいいと思ってしまう。 「タケル元気だった?ケーキ買ってきてくれたんだありがとう」 俺には2つ上の姉と3つ上の兄がいる。 それに父と母の5人家族。 兄と姉はそれぞれ結婚していて、子供もいる。 そのせいか、たまに家族で集まるとすぐに俺の結婚の話になる。 それがずっと煩わしくて仕方なかった。 特に結婚したいと思う相手も今まではいなかったから。 自分は一生結婚なんてしなくていいとさえ思っていた。
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