彼女の決断

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甥っ子と姪っ子と遊んだ後、皆で買ってきたケーキを食べながらテーブルを囲む。 すると案の定、お節介な母親が結婚の話を口にしてきた。 「ねぇタケル。あんたこのままずっと1人でいいと思ってるわけじゃないわよね?」 「また結婚の話かよ。帰ってくる度しつけーな」 「だってあんたもう今年で31になるのよ?お兄ちゃんとお姉ちゃんは結婚して子供までいるっていうのに」 「まぁまぁ母さん、タケルはタケルでちゃんと考えてるんだからさ。大人しく見守ってようよ」 30にもなって兄にフォローされる俺。 「そんな悠長なこと言ってる場合じゃないのよ。だってタケルなんて、今まで彼女を連れてきた事さえ1度もないじゃない」 溜め息をつきながら文句を言い続ける母親。 そんなに息子の結婚が心配か? 「ねぇタケル。まさか……男が好きなわけじゃないよね?」 真剣な顔で姉ちゃんがおかしなことを聞いてきたから、食べていたケーキを吹き出しそうになった。
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