恋に落ちた日

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「もしかして鳴海さん……妬いてるんですか?」 恐る恐るそう聞くと、隣で運転していた鳴海さんに思いきり睨まれた。 コワイ。 「ごめんなさい冗談です!」 「だったら悪いかよ」 「……え」 てことは。 やっぱり妬いてたってこと……? 「鳴海さんって、妬いたりとかするんですね……」 嬉しいけど意外だ。 嫉妬とか束縛とか、そういう感情を持っていない人だと思っていたから。 「俺もこんな自分、知らなかったけどな」 そう言いながら運転する鳴海さんを横目で見ながら、ドキドキしてしまう。 目が離せない。 今までこんなに誰かを想って心臓が痛くなることなんて、なかった。 今日陽くんと別れたばかりなのに、『好きです』だなんて、簡単には言えない。 だけど、間違いなく私は恋に落ちた。 それだけは確実に自覚した、26歳の誕生日だった。
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