恋に落ちた日

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「白川。お前までその呼び方やめろ」 「え?だって伊咲ちゃんじゃないの?ごめんね伊咲ちゃん、下の名前なんだっけ?」 「あ……絵麻です」 「じゃあ、絵麻ちゃんだね」 ……なんか白川さんって、絶対女性にモテる気がする。 「お前がそう呼ぶとなんか胡散臭いんだよな」 「相変わらず失礼だな鳴海は。絵麻ちゃん、こんな男のどこがいいの?」 「えっ……」 突然の質問に、言葉が詰まってしまう。 何か言わなくちゃ気まずくなる。 そう思っていると、私より先に鳴海さんが口を開いてくれた。 「お前ちょっと出てけよ。邪魔。ゆっくり食わせろ」 「わかったよ。絵麻ちゃん、ごめんね邪魔して。ごゆっくり」 白川さんはマイペースを一切崩さずに、ニコニコしながら個室から出て行った。 何にも動じなさそうな人。 本当に、鳴海さんとも仙堂さんとも違うタイプだ。
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