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「どうした?」
危ない。
考え事をしていたら、すぐに鳴海さんに見透かされてしまう。
「なんでもないです!あの、今日は本当にありがとうございます。凄く素敵な誕生日になりました」
26歳の誕生日を、鳴海さんと過ごせるだなんて思ってもみなかったから。
「あ……でも、どうして私の誕生日知ってたんですか?」
「飯嶋に聞いたんだよ」
「え、雪ちゃんが……?」
「今日お前があの男と会うのを教えてくれたのも、あの女。いい友達持ったな」
私のために、雪ちゃんがそこまでしてくれていたなんて知らなかった。
親友の優しさに、胸が熱くなる。
「悪いな、誕生日なのに何もプレゼント用意してなくて」
「プレゼントなんていらないです!そんなの気にしないで下さい!」
「女の誕生日なんて今まで祝ったことないから、何やればお前が喜んでくれんのか全然わかんなくて。結局何も買えなかった」
今まで祝ったことがないって……本当に?
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