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「お前が喜んでくれたなら良かったけど。……正直、違う店にすれば良かったかも」
「どうしてですか?」
そう聞くと、私の顔を呆れたように見た鳴海さんは軽く溜め息をついて車を発進させた。
「家、送る」
「あ……すみません!ありがとうございます」
車内には、男性ヴォーカルの洋楽が流れている。
いい曲だなと思いながら曲を真剣に聞いていたら、鳴海さんが口を開いた。
「また行くの?白川の店」
「あ……はい、明日雪ちゃんに言って近々また行こうと思ってます。あそこ、ランチも凄く評判いいんですよ」
「言っとくけど、アイツ婚約者いるからな」
婚約者?
「え……白川さんですか?」
「そう」
「へぇ~そうなんですね!じゃあそろそろ結婚するんですか?白川さんの奥さんなら、きっと凄く素敵な人なんだろうなぁ」
白川さんが穏やかな人だから、きっと奥さんになる人も、穏やかで優しいんだろうな。
でも、どうして急にそんな事……。
そう思ったとき、さっきからの鳴海さんの態度や言葉を思い出す。
もしかして……。
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