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「こんなに泣いて出てきたってことは……アイツとは別れたって事でいいんだよな?」
そう言われて、さっきまでの陽くんとの会話を思い出す。
私の2年間の恋は、確かに今日終わったんだ。
「はい、終わりました」
「ふーん。じゃあこれからは、誰にも遠慮しないでお前に触っていいんだな」
そう言いながら鳴海さんは、私の濡れた目を指で優しく拭った。
ホントにこういうしぐさ、自然にしてくるのやめてほしい。
私だけ動揺して、すぐに顔が赤くなる。
「冗談だよ、お前がちゃんと俺のモノになるまでは手出さないから」
ふっと余裕そうな表情で私を見て笑う。
その笑った顔を見て、私の心臓は痛くなる。
「で、お前飯は食ってきたの?」
「え?あ……いえ、何も食べてないです。話をしに行っただけなので」
そういえば少し、お腹空いたかも……。
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