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「お前のその顔、誰にも見せたくないから早く化粧直せ。もうすぐ着くぞ」
「え、あ、はいっ」
いちいちドキドキしながらなんとか化粧を直して、ホントに10分くらいで目的のお店に着いてしまった。
「鳴海さん、ここって……」
鳴海さんが連れて行ってくれたお店は、いつも雑誌やテレビに取り上げられている予約の取れないフレンチのお店だった。
前に雪ちゃんとランチで行こうとしたけど、予約いっぱいで行けなかった所だ。
「鳴海さん、ここ多分かなり前から予約してないと入れないですよ」
「そんな人気あんの?」
なんて言いながらも、平然と車を降りて店に歩いていく鳴海さんを慌てて追いかける。
店に着くと、フロントで出迎えてくれたウェイターに何かを言う鳴海さん。
するとすぐに、店の奥から1人の男性が出てきた。
この人、ここのお店のオーナーだ。
このお店の特集をやるときに、必ずメディアに出るのがこの人。
雪ちゃんが珍しくカッコいいって騒いでた。
でも確かに雑誌やテレビで見るより、カッコいいかもしれない……。
「鳴海!着くの早かったじゃん」
そのオーナーは、爽やかに鳴海さんに声をかけた。
まさか、知り合いなの……?
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