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「鳴海さんのお知り合いなんですか?」
「白川は大学のときの同級生。アイツ料理なんて一切できないけど、経営の才能だけはあったんだな」
「ここ、一度来てみたかったんです。前にここに来ようとしたときは予約いっぱいで入れなくて。こんな素敵なお店に連れてきてもらえて本当に嬉しいです」
そう言って私の目の前に座る鳴海さんを見ると、少し不機嫌な顔をした。
どうしたんだろう?
「あの、鳴海さん……?」
「前に来ようとしたときって、アイツと?」
「アイツって……陽くんのことですか?」
「わざわざ確認すんなよ」
「ここに来ようとしてたのは雪ちゃんとですけど……雪ちゃんがフレンチ大好きなので」
「……あっそ」
これってもしかして、ヤキモチ?
でも鳴海さんって、嫉妬なんてしなさそうだし……。
だけど、だけどもし妬いてくれたんだとしたら。
……嬉しい、なんて思ってしまった。
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