大きな動揺

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「伊咲ちゃん、これから時間ある?もし良かったら一緒に夜ご飯食べない?今日のお礼がしたいの」 「え……お礼なんていいですよ!私はただアドバイスしただけなんで」 「そんな事言わないでお願い!ねっ?行こ!」 そして強引に香那さんに腕を掴まれて、1軒のイタリアンのお店に2人で入った。 凄い信じられない展開……かも。 鳴海さんの昔の彼女と、2人で食事する事になるなんて。 さっき思ったけれど、香那さんは凄くいい人だと思う。 可愛いし、気が利くし、それに優しい。 女性として、憧れるものをたくさん持っている人。 「あの、会社には戻らなくてもいいんですか?」 「うん大丈夫。私フリーでやってるから小さな事務所を構えてるんだけどね、食事終わったらすぐ戻って作業始めれば間に合うから」 「……凄いですよね香那さん。フリーでイラストレーターとして成功していて、本当に尊敬します」 「私なんてまだまだだよ。たまたま今までいいチャンスに恵まれて、仕事させてもらってきた感じだもん」 香那さんと話していると、癒される。 鳴海さんの過去を知っている女性だけれど、私はこの人の事は絶対嫌いになれないなと思った。
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