大きな動揺

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「早くくっつけばいいのに。絵麻だって、もう鳴海さんのこと好きなんでしょ?」 「……うん、好き」 あの誕生日から1ヶ月が過ぎ、確実にあの日よりも、今の方が好きの度合いが大きくなっているのがわかる。 「そんな顔赤くして言わないでよ。私が照れるじゃない」 「……ごめんなさい」 「だったら、もう好きって言っちゃえば?鳴海さんの気持ちなんてわかってるんだから」 鳴海さんは、変わらず私に好意を持ってくれているとは思う。 一緒にいると、いつも感じる。 鳴海さんの、クールだけど優しい視線。 ……だけど。 「好きだなんて、どんなタイミングで言ったらいいのかな……」 「はぁ?あんたね……今どき中学生でもそんな事で悩まないわよ」 確かにそうかもしれない。 私だってもう26歳。 決して数は多くないけれど、恋愛の経験は幾つかある。 なのに、あと一歩が踏み出せない。 慎重になり過ぎている自分がいる。
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