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『……好きです』
私のその言葉を聞いて、鳴海さんの片方の口角がまた少しだけ上がった。
「……そんなの前から知ってる」
そう言って、また唇を塞がれた。
次は激しいキス。
絡み合う舌だけで、気持ちよさを感じてしまう。
「……あっ……」
思わず漏れる甘い声を手で塞ぐと、簡単に鳴海さんに手を剥ぎ取られた。
「我慢すんな。声、聞かせて」
その瞬間、私の中にあった理性は崩壊した。
鳴海さんが与える刺激に、素直に声を漏らす。
身体を重ね合う事が、こんなに感じる行為だなんて初めて知った気がした。
彼の筋肉質な体、私の身体に触れる長くて綺麗な指先、何度も私の身体中に痕をつける冷たい唇、私を見つめ続ける鋭い瞳。
その全てに、感じてしまった。
私はきっと一生この人には適わない。
そう思い知らされた、長い長い夜だった。
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