誰にも譲れない恋

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この日、仕事が終わった後1人であの定食屋さんに向かった。 「あら絵麻ちゃんいらっしゃい!今日は鳴海くん一緒じゃないの?」 「はい、鳴海さん今日は忙しいみたいで」 「そうなの?残念ね。じゃあカウンターの席座って」 1人でカウンターの席に座り、注文をする。 いつも鳴海さんが食べているここのミックス定食。 いつも美味しそうで気になっていたから、今日はそれを注文してみた。 「絵麻ちゃんったら……鳴海くんがいつも食べてる定食選ぶなんて。そんなに鳴海くんのこと思い出したいのかい」 おばさんが、突然突拍子もないことを言い出した。 「ち、違います!そういうわけじゃなくて…♪」 「好きなのね~鳴海くんのこと。私達には隠さなくたっていいのよ」 何も言い返せなかった。 「絵麻ちゃん。鳴海くんのこと、よろしくね」 満面の笑みでおばさんが私に言う。 『はい』だなんて、今はまだ言える立場じゃないけれど……心の中で、『はい』と返事した。
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