598人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
そして運ばれてきた定食を食べながら、おばさんと会話をしていたとき。
突然私の携帯に、知らない番号から着信が入った。
無意識に、体がビクッと震えてしまう。
あの非通知からの着信や大量のメールの嫌がらせを受けていた日々からもうだいぶ経ったのに。
未だにあのときの恐怖を、体はしっかりと覚えていた。
……ただひたすら、鳴り続ける携帯。
「絵麻ちゃん、電話出なくていいの?」
「……知らない番号なので、いいんです」
だけど着信は、なかなか鳴り止まない。
電話に出たいけど、あのときの恐怖を思い出すと手が伸ばせない。
「しつこい電話だね。貸しな、私が出てあげる」
そう言っておばさんは私の携帯を操作して電話に出た。
「もしもし?誰だい?しつこいね……あら、なんだあんただったのかい」
勢いよく電話に出たおばさんだったけど、相手の声を聞いてがらっと態度を変えた。
……誰だろう?
最初のコメントを投稿しよう!