大切な家族

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「あの、鳴海さん。今日は家に泊まってくれてありがとうございます。本当は……凄く嬉しかったんです。鳴海さんが私の家族に会ってくれて」 「俺も、会えて良かったよ」 「でも絵里とお母さん、鳴海さんに何か失礼な事言ってませんでしたか?」 特に失礼なことは言われてない。 家族なら、彼女のことを心配するのは当然だろう。 だけど1つ。 いちいち気になることはあった。 「お前、今まで付き合ってきた男、ほとんど家族に会わせてんの?」 「え?」 「妹も母さんも、随分お前の過去の男知ってそうだったけど」 わざとなのか知らないけど、やたらと俺を過去の男と比べるような発言が多かった気がする。 「学生のときは家に連れて来た事もありましたけど……でもこんな風に一緒に食事をしたのは初めてです。あとは写真を見せたりとかしか」 「もういい」 これ以上聞きたくなくて、無理やり彼女の腕を掴んで1つの布団に一緒に入った。
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