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ずっとずっと、手に入れたくて仕方なかった。
そんな彼女の身体は、正直想像以上のものだった。
翌朝、目が覚めると隣に彼女の姿はなかった。
……嘘だろ。
時計を見ると、時刻は午前7時。
まさか、昨日の事は夢だったとか?
いや、そんな筈はない。
あの柔らかい身体に触れたあの感触が、指先にも唇にもまだ残っている。
とりあえず適当にクローゼットから服を出し、着替えて部屋を出るとリビングからいい匂いがした。
キッチンからは、トントンと包丁で食材を切っている音が聞こえる。
身支度を整えて、でも顔は化粧をする前の素顔のまま。
そんな自然な状態で料理をしている彼女を見つめながら思った。
こういうのをきっと、幸せっていうんだと。
俺が起きたことに全く気づく事もなく、料理に集中している彼女に近付き声をかける。
「おい」
「わっ!びっくりした……鳴海さん起きてたんですね」
「起きてたんですね、じゃねーよ」
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