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狭い布団に密着する体。
今日は手出しはできないとわかっているけど、無性に触れたくて仕方なくなる。
「鳴海さん……」
「わかってる。手は出さねーよ、さすがにこの部屋では」
背後には、彼女の父親の仏壇。
めちゃくちゃ見られてる感が半端ない。
「けど、一緒に寝るくらいいいだろ」
彼女を後ろから抱きしめてそう言うと、彼女はもぞもぞと体勢を変えて俺と視線を合わせてきた。
「はい」
そしてすっぽりと俺の胸の中に収まる。
何かの小動物か?
頼むから、もうこれ以上煽らないでほしい。
手は出さないつもりだったけど、結局キスは我慢できなかった。
何度も何度も、甘いキスを繰り返した。
この日は彼女が眠った後も、しばらくその無防備な寝顔を見つめていた。
彼女の寝息が聞こえる度に、心に満ちる満足感。
この今の想いを言葉に表すとしたら。
きっとそれは、『愛』と呼んでもいいと思った。
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