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「とか言っちゃって、鳴海さんだって焦って電話してきたじゃないですか。いきなり住所教えろだなんて言われたときは何かと思いましたよ」
え……?
そうなの?
「余計なこと言うな」
「しかも3時間経ってから来て下さいって言ったらちょうどぴったり3時間後に来るし。絵麻、あんた何も心配する事ないわよ、ていうか心配するだけ時間の無駄よ」
ちらりと鳴海さんを見ると、もの凄く恐い顔で雪ちゃんを睨んでいた。
「でもどうして3時間後なの?」
「だって3時間はヒロ帰って来ないから、私が暇になるじゃない」
単純明快な答え。
「もういいだろ、帰るぞ」
鳴海さんがそう言って、玄関のドアを開けようとしたとき。
急にドアが開き、専務が帰ってきた。
「あれ、絵麻ちゃん来てたんだね」
「あ、お邪魔してます……」
「しかも鳴海君まで。何かあったのかい?」
専務が穏やかに私達に話しかける中、鳴海さんだけがこの状況に驚いていた。
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