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「……何で専務がここに?」
「鳴海さん知らなかったんでしたっけ?この人、私の彼」
「……マジで?」
こんなに驚いている鳴海さんは、初めて見たかもしれない。
「ヒロもう少し早く帰ってこれば面白いもの見れたのに。聞いてよ!2人ったら私の存在も忘れてすっかり2人の世界に入っちゃって」
「雪。人の恋を笑うのはやめなさい」
さすが専務。
対応が大人。
「絵麻ちゃんも鳴海君も、このまま家で夕飯食べて行かないかい?絵麻ちゃんはもう相当酔ってるみたいだけど」
確かにまだ頭はフラフラしてる。
ろれつの回らなかった口調は何とか元に戻せたけど。
「いえ、せっかくですけど今日は失礼します。また今度機会があれば是非」
鳴海さんが、丁寧な口調で専務の誘いを断る。
お邪魔しましたと挨拶して、2人で雪ちゃんの家を出た。
「今日はいろいろありすぎて疲れた」
「ですよね。すみません……」
マンションの目の前に路上駐車していた車に乗り込む。
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