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「とりあえずお前は家以外で酔うの禁止」
「えっ……」
「そんな顔して外でフラフラされたら、俺が困る」
確かに酷い顔してるかも。
ヤケになっていたからか、いつもより飲み過ぎてしまった。
「次からは気をつけます……」
そこまで言って俯こうとすると、突然運転席にいる鳴海さんに顎を掴まれキスをされた。
「他の男の前で絶対すんなよ。この顔」
どんな顔をしているかなんて、鏡で見なくてもわかってしまう。
今私の顔は、猛烈に赤いはず。
こんな顔、鳴海さんの前でしか出来ないです。
「それにしても……専務はドMだなきっと」
「そうなんですか?」
「じゃなきゃあんなドS女と付き合えねーだろ。俺は絶対ムリ」
じゃあきっと、私は専務と同じドM?
だって鳴海さんは、誰がどう見たって絶対にSな人。
だけど運転しながら、ハンドルを握っていない左手で私の右手に触れてくれる。
彼との絆が前よりも少しだけ深まったような気がした1日だった。
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