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俺と彼女の噂がだんだんと落ち着き始めた11月中旬。
白川と香那の結婚式の日がやってきた。
場所は香那がいかにも好きそうな一軒家のレストランウェディング。
少人数でやるのかと思っていたら、意外にも人数は多かった。
白川の仕事関係や香那の仕事関係、それから大学の同級生。
あと俺の隣には、すげーテンションの高い仙堂。
「ついに結婚したんだもんなーアイツら!お似合いだよな。タケル、ちょっと寂しいんじゃねーの?元カノが結婚って」
「アホか。なわけねーだろ」
寂しさなんて全くない。
むしろ今日を無事にあの2人が迎える事ができたのが嬉しかった。
「それにしても遅いね伊咲ちゃん。道迷ってるんじゃない?」
「ちょっと電話してくる」
外に出て電話をかけてみたけど、案の定つながらない。
アイツ、いつも電話気付かないんだよな。
そのとき目の前にタクシーが止まり、綺麗に着飾った彼女が慌てて降りてきた。
「すみません鳴海さん!遅くなりました!」
いつもとは違う雰囲気。
ネイビーのミニのワンピースに、黒のストッキング。
ふわりと綺麗に巻かれた髪。
化粧もいつもとは少し変えていて、一瞬別人のように見えた。
いつもは可愛らしい雰囲気の彼女だけど、今日は……綺麗だった。
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