近い将来

16/28
前へ
/28ページ
次へ
「うわぁ……凄く綺麗……」 教会の中を見渡しながら感嘆の声をあげる彼女に、俺も同意した。 「なんか……凄く神聖な場所な感じがしますね」 その後少ししてから仙堂達も入ってきて、数分後時間通りに挙式が始まった。 最初に登場したのはグレーのタキシードに身を包んだ白川。 相変わらずいつ見ても男前な奴。 そしてその後、父親と一緒に白川の方へ歩いて行く香那。 真っ白なウェディングドレスを着た香那は、間違いなく綺麗だった。 隣を見ると、大きな目を潤ませながら香那を見つめる彼女。 コイツもやっぱり、こういう場所で挙式をしたいんだろうか。 コイツがウェディングドレスを着たら、きっと誰よりも綺麗だろうな。 なんて他人の結婚式の最中にさえ、そんな事ばかり考えてしまう自分がいる。 「鳴海さん……凄く幸せそうですね、2人」 「ああ。そうだな」 愛しそうに香那を見つめる白川。 その白川に優しく微笑む香那。 見ている俺達も幸せな気分にさせる。 そんな結婚式だった。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

712人が本棚に入れています
本棚に追加