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結婚式の後は、隣のレストランでパーティーが行われた。
ホテルでの披露宴のような形式じみたものは何もなく、賑やかなパーティーだった。
最初は緊張していた彼女も、だんだん周りと打ち解けて楽しそうにしていた。
「あっ伊咲ちゃん!今日は来てくれてありがと~」
「香那さん!すっごく綺麗です!本当におめでとうございます!」
見ていると、本当に仲良さそうに会話をしている2人。
いつの間に仲良くなったんだ?
「そうそう、実はね、伊咲ちゃんにこれもらってほしかったんだ」
そう言って香那が彼女に手渡したものは、綺麗な白のブーケ。
「え、これ……」
「どうしても伊咲ちゃんにもらってほしいの。伊咲ちゃんに、幸せになってほしいから。もちろん、鳴海くんとね」
その瞬間、泣き虫な彼女の目から大粒の涙が零れた。
「お前、泣き過ぎだろ」
指で涙を掬うけど、一向に止まらない涙。
「だって嬉しくて……ありがとうございます香那さぁん……」
泣きながら香那に抱きつく泣き虫な彼女を見て、コイツを幸せにしてやりたいと強く想った。
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