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和やかな雰囲気でパーティーも終わり、次は場所を移動して二次会。
パーティーが終わり帰ろうとしていた彼女を強引に引き止めて二次会まで連れて行った。
俺の同級生に囲まれて質問攻めに遭う彼女は終始困った表情をしていたけど、コイツの困ったり焦ったりする顔を見るのは、結構好きだったりする。
「タケル次三次会行くぞー!」
「鳴海さん、私そろそろ帰りますね」
さすがに三次会まで連れて行くのは悪いか。
誰よりも他人に気遣いをする彼女だから、きっと気疲れするだろう。
「わかった。タクシー拾える所まで一緒に行く」
「ここで大丈夫です!大きい通り出たらすぐタクシー乗って帰るんで。……鳴海さん、今日はありがとうございました。あの……」
彼女が何かを言いかけたとき、俺の背後からしつこく俺を呼ぶ声が聞こえた。
「うるせーな、アイツら」
「鳴海さん、早く行って下さい。みんな待ってますよ」
いつもと変わらない笑顔で彼女が言う。
「じゃあ、行くわアイツらうるせーから。気をつけて帰れよ。家着いたら一応メールして」
「はい、ちゃんとメールします。楽しんで来て下さいね」
白いブーケを手に持って微笑む彼女に見送られながら、俺は三次会に行く連中の所へ向かった。
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