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「服、脱がすの勿体ねぇな」
それくらい今日の彼女は綺麗だったから。
正直、ウェディングドレス姿の香那よりも数倍。
窓から強引に離れさせて、ベッドに彼女の小さな体を押し倒し唇を重ねる。
もう何度身体を重ねたのかなんてわからないくらい、彼女の身体の事なら知り尽くしている筈なのに。
毎回抱く度に、初めて触れるような気分にさせる。
きっと一生、コイツには適わないだろう。
「絵麻」
彼女の瞑っていた瞳がゆっくりと開いた。
その大きな瞳に映っているのは、俺だけ。
俺だけを真っ直ぐに見つめる瞳。
「約束するよ、近い将来。……必ず」
必ず、お前を幸せにする。
「何を……ですか……?」
相変わらず、鈍い女。
「……俺達の将来」
「俺達のって……え、鳴海さんそれってまさか……」
その先の言葉を言わせる前にキスで唇を塞いだ。
今じゃなくてもまたいつか。
いつか必ず。
そう、心に誓った。
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