近い将来

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宴会場に彼女が浴衣姿で入ってきたのを見たときは、すぐにその場から連れ出そうと思ったくらいだった。 「なぁタケル。伊咲ちゃん、ちょっとセクシー過ぎるんじゃね?浴衣姿、ヤバいね」 「お前は見るな」 横から仙堂がニヤニヤして言ってきたのも腹立たしくて仕方なかった。 宴会場にはかなりの人数がいて、ほとんどの社員が私服から浴衣に着替えていた。 もちろん女性社員もほとんどが。 なのに、何でアイツだけあんなに目立つんだよ。 「鳴海さん、隣いいですか?」 いいだなんて一言も言ってないのに、村瀬と俺の間に割って入ってくる女達。 だから来たくなかったんだよ。 本当に面倒くさい。 適当に周りの女をあしらっていたら、いつの間にか彼女の席の周りには加藤がいた。 だけど今、俺が彼女の席の方に行くことはできない。 頑なに俺との関係を社内のヤツらに隠したがる彼女。 いろいろと噂されるのが嫌なのはわかるから、強くは言えない。 けど、俺は正直今すぐにでも知れ渡ってほしかった。 アイツは、俺の女だと。
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